会社を退職後に加入する健康保険としては、3つ選択肢があります。
家族の扶養に入る、国民健康保険に加入する、そして加入していた健康保険(協会けんぽもしくはその他健康保険組合)の任意継続保険に加入する、この3つです。
今回は、国民健康保険に加入する場合と協会けんぽの任意継続保険に加入する場合について、比較してご説明します。
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国民健康保険と協会けんぽの任意継続の違いとは
国民健康保険は、健康保険組合や共済組合等の健康保険に加入していない自営業やフリーターの人が加入する医療保険で、協会けんぽは中小企業に勤めている人が加入する健康保険です。
協会けんぽは会社勤めの人しか加入することができませんが、2カ月以上会社勤めで協会けんぽに加入した後、退職後2年間は任意で保険を継続することができます。
国民健康保険と協会けんぽの任意継続では、医療費の自己負担割合は変わりませんし、保険給付(出産育児一時金、埋葬料等)も違いはありません。
一番の違いは保険料です。
国民健康保険と協会けんぽ任意継続の保険料の考え方
国民健康保険の保険料は、計算方法は市町村によって異なりますが、前年の所得額をもとに計算されます。
なので、退職後に無収入になったとしても前年の所得が多ければ、その所得額で保険料が計算されるため、保険料は高くなります。
また、国民健康保険に「扶養家族」という考え方はありません。
在職中は扶養する家族が何人いても保険料は一人分だけですが、国民健康保険では、一人ずつ保険料がかかることになります。
一方、協会けんぽの任意継続の保険料は、退職時の標準報酬月額をもとに計算されます。
標準報酬月額とは、会社勤めの人の月々の保険料を計算するために設けられたもので、毎年4~6月の3カ月間の給与をもとにその人の給与の平均額を算出し、決定されます。
また、在職中は「労使折半」として保険料の半額を会社が負担していますが、退職後は保険料を全額自己負担することになりますので、退職時の保険料が2倍になると考えましょう。
ただし、保険料には上限が設けられているため、一定額以上にはならないようになっています。
保険料の上限額は、協会けんぽの都道府県支部によって異なるので、詳しい保険料については、保険証に書かれている協会けんぽの各支部へ問い合わせてみましょう。
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国民健康保険と協会けんぽの任意継続、どちらが「得」か
国民健康保険も協会けんぽの任意継続も、医療費の自己負担割合や保険給付に違いはありません。
ですので、多くの人が保険料を比較してどちらが「得」なのかを決定しています。
協会けんぽの任意継続は保険料の減額・免除はありません。
国民健康保険では、退職の理由によっては、保険料の減額・免除を受けられる場合がありますので、病気や解雇等で退職となった人は国民健康保険の窓口で相談してみるとよいかもしれません。
また、定年退職等で、退職後に収入が減る・なくなるような方は、退職直後は協会けんぽの任意継続に加入し、1年後に国民健康保険へ切り替えるパターンが一番保険料を安く抑えることができる可能性があります。
退職直後は前年の所得額が高いため、国民健康保険より協会けんぽの任意継続の方が保険料が安く、1年後には退職後の所得額が低いため、国民健康保険の保険料がぐんと安くなることが考えられるからです。
ただし、協会けんぽの任意継続は好きなタイミングでやめることができませんので、国民健康保険に切り替えたい場合は、事前に協会けんぽに問い合わせをしておきましょう。
まとめ
国民健康保険も協会けんぽの任意継続も、保険証としての機能に大きな違いはありません。
一番の違いである保険料は、退職の理由や、退職後の所得額、扶養家族の有無等によって変わってきます。
ぜひ、参考にして自分にとって一番よい選択をしてください。
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